黄昏通信社跡地処分推進室

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夜中に起こされる。「破水したっぽい」。時計をみたら 2 時 20 分ぐらいだったか。着替えたりしつつ妻が病院へ電話する。タクシーで来てくださいとのことなのでタクシーを呼ぶ。ビニール袋数枚と、タオルを持てるだけ持って 2:40 ぐらいに家の前へ。タクシーはもう来ていてすんなり乗り込めた。運転手さんはとても親切で、しかし余計なことを言わず、最速の経路で病院に向かってくれた。今回は先々週ほど余裕はなく、妻は車内でも上体を横にしておれの腿の上に頭を乗せて手を握っていた。3:10 ごろに病院に着き、車椅子を借りて産科のある階へ。
妻を引き渡してほっと一息、前回の経験からするとまあまだ時間がかかる筈。1階に下りて入院手続きを済ませ、一旦外の車寄せに出て飲料水の PET ボトルを買った。一度は止んでいた雪がまた結構降っていた。
病棟へ戻って陣痛室/分娩室の前のソファで横になろうとしたところで看護師さんに呼ばれる。中に入ってください。すぐに中に入って荷物を置き、指示されるままに白衣を羽織って手を洗う。分娩室に入ると、「よかった、旦那さん間に合った」と言われる。間に合ったって、なにに? 妻の横に立って、手を握られる。妻がいきんじゃだめですかと訊いている。だめだめ、赤ちゃん苦しいですよ。とかなんとか言っているうちに、もう頭が出ているのが見えた。早くないですかそれ。
そこまで進んでいればあとはあっという間だった。我が子はとりあげられ、やはり女の子であることが確認され、軽く拭かれたりしつつベッドに移された。妻も(もちろん痛かった筈だが)前回よりはだいぶ体力が残っているようだった。拍子抜けするほどにすんなりと進んだ。誕生は 3:43。病院に着いてから実に 30 分強しか経っていなかった。身長は 51cm、体重は 3256g。息子と身長は殆ど同じで、体重は少しだけこの子の方が重い。分娩室を出れば退院まで抱けないのがわかっていたので、触ったり抱き上げたりした。
めでたい。
息子の時に比べると緊張感や切迫感は少し薄い気がしていたのだが、しかし終わってみると強い安堵が押し寄せてきて、多分やはり結構緊張していたのだろう。こうしてまた新たに子を迎えることができたことを喜ばしく、嬉しく思う。
妻は本当におつかれさま。上の子を抱えての妊婦生活はきつかっただろうし、お産も前回とはまた全く違った不安や恐怖、そして大変さがあったと思う。感謝しています。

メールをどかどか打ったあと、少しだけ妻の隣で休ませてもらってから、病院を出た。7時ごろだっただろうか。寝ていない所為か、信じられないぐらい寒かった。道路脇の潅木に白い粉が振りかけられていて、なにかと思ったらゆうべの雪が残っているのだった。ビルの間を吹き抜ける身を切るような風を頬に浴びながら、地下鉄の駅へ向かった。
家に着いて、パンにチーズを乗せて2枚焼いて、あたたかいココアを飲んで、ベッドに入った。

午後あらためて病院へ。眠くてあまり憶えていない。