黄昏通信社跡地処分推進室

黄昏通信社の跡地処分を推進しています

頭は必要

必要条件と充分条件で躓いた人って少なくないと思うんだけど、概念自体は全然難しくない筈なんだよね。
「日本人なら充分アジア人である」
「日本人であるためには少なくともアジア人である必要がある」
このふたつの文が意味するところを理解できない人は――必要条件とか充分条件とかいう概念で困るようになる歳になれば――そんなにいないと思う。だけどこれを「日本人はアジア人の【  】条件である」って書かれた瞬間にわからなくなる人はそれなりにいるんじゃないだろうか? というかさっきから他人事みたいに書いてるけどまあつまりおれのことだ。この形になるとぱっと出てこなくなってしまう。
上の文は理解できるのだから必要とか充分とかはおそらく正しく使われている。じゃあ「条件」がおかしいのかと思っていろいろ考えてみたんだけど、条件って言葉が日常生活で使われるときは必要条件だったり充分条件だったり必要充分条件だったりしてるっぽくて、それを文脈で判断している。もちろん、だからこそ必要条件と充分条件を区別する必要があるのだ。
もう一度上の例に戻ると、
「日本人なら充分アジア人である」
という文章において日本人とアジア人のどっちが「条件」なのか? ということこそが直感的にはわからない。
なにかが上手くいっていない感じはするのだけど、それをどうすれば解決できるのかがどうしてもわからない。他の言語ではこのふたつの条件の関係は混乱を来さないのだろうか。