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[向日葵・チューリップ・百合]心に残るゲームたち (39-2) :『サボテンボンバーズ』(小ネタ集)



小ねたというか、いつもの補遺も兼ねて。

  • 全 100 面のループゲーム。敵を全滅させると面クリアとなる。
  • 敵の数、種類、配置、出現順はすべて決まっている。同時には画面上に6匹しか出ない。7匹以上敵がいる面では面の開始時には最初の6匹だけが出ていて、1匹死ぬごとに7匹目以降の敵が出現する。
  • 各面の最後の1匹の敵が死ぬと自機は無敵になり、爆弾に巻き込まれることもなくなる。
  • 各面の最後の1匹が死ぬのと同時に爆風に当たって(ex. 同じ爆弾に巻き込まれてその爆弾が爆発する)も自機は死なない。
    • なので、時間切れの爆弾が来ている/来そうな時に敵が最後の1匹だったら気絶させてから爆弾に巻き込んで自分も一緒に巻き込まれれば死なない。気絶させないとそいつに爆弾から抜けだされたら死ぬ。
  • 得点アイテムは野菜・果物、パワーアップは花、という統一がなされていて、そういうところがいちいち可愛い。ヒマワリがスピードアップ、チューリップが爆弾のパワーアップ(直撃で5発分)、ユリが一定時間無敵(体当たりで敵が倒せる)、アサガオが画面上の敵全滅(どんなに硬い奴でも死ぬ)。
  • 各面が始まってから短い時間のうちに敵を倒す、数多くの敵をひとつの爆弾で倒す、ユリやアサガオで倒す、などの条件だと好いアイテム(パワーアップ、ショートケーキなど)が出やすいように思われる。
  • 自機のジャンプ力は3ブロック半だが、ヒマワリを持っていると硬い床に向けてレバーを入れていると半ブロック分よじ登れるという仕様があるため、硬い床に乗るのであれば4ブロック上まで行ける。
  • ショートケーキは8切れ集めると集めた瞬間にその面クリアになり、自機がいっぽん増える。
  • 野菜・果物は全種類集めると集めた瞬間にその面クリアになり、100000 点入る。
  • 星は特に役に立たないが最初 100 点で、死なずに取りつづけると最後 80000 点まで上がる。
  • ちびもも(○に入った桃みたいな外見)は4つ取ると次のちびももの代わりに「にばい」と書かれた2ばいたろうが出る。取ると以後得られるすべての得点が2倍になる。さらにちびももを4つ取るとその次のちびももは3ばいたろうになる。以下9ばいまで続くが、死ぬと元に戻る。
    • すべての面で最初に倒すと必ずちびももを出す敵というのが1匹決まっている。他の敵を同時に倒してもかまわない。この仕様があるため、上で「次のちびももの代わりに」などと大胆なことが書ける。
      • が、冷静に考えると次のちびももの代わり以外で○ばいたろうが出ている可能性は排除できないので上のも正確な記述とは言いがたい気もする。
      • ちなみに小冊子では「ばいりつ○(まる)たろう」と紹介されていたので実は2倍だったら「ばいりつ2たろう」が正しいんじゃないかと思ったこともあるが実際に「にばい」と書かれているのを見るとまあ2ばいたろうでいっかみたいな気持ちになる。
  • 各面の制限時間は基本的には 60 秒(20 秒の面もある)。時間が0になると、画面外から大火力の爆弾がぽんぽん投げ込まれる。その爆風は自機にも敵にもダメージを与える。
  • 自機が死ぬと時間が 60 秒に戻る。※開始時 20 秒の面で 20 秒に戻ったかどうかは未確認
  • 各面をクリアするとボーナス点が入るが、その中に「TIME」という項目があって、残り時間に応じて得点が入る。ほぼ秒数に比例するのだが、最大値の 99 秒残っていると 45000 点で、0秒でクリアすると 50000 点になる。したがって、クリアした後画面上に砂時計が残っている場合、1秒以上残っていれば取るべきで、0秒であったらたとえ MAX であっても取るべきではない。
  • 背景は主人公たちのご主人様*1が住んでいると思われる家の中のさまざまな部屋で、ゲームには影響しないがよく見るとやたらめったら種類が多い。たぶん 40 種類あって 1〜40 面と 51〜80 面が対応している。おそらく 81〜100 面も 1〜20 面と同じ筈(未確認)。
    • ボスの並びがこれに対応していて、たとえば 20 面と 60 面(と多分 100 面)は猫のいる部屋でノミのボスが出てくる、とか、30 面と 70 面は庭でアリジゴクに遭う、という風になっている。
  • 自機は死ぬとアサガオを出す。ただし、10 の倍数面(ボスの面)では代わりにチューリップを出す。
  • 時間が0になってから 30 秒死なずに粘ると、1UP アイテムがふたつ出る。ただしボーナスステージの場合はその面では出ず、その次の面の開始時に 1UP アイテムがふたつ出る。
    • これによって 1UP アイテムが出る場所は面によっていちいち決まっている(ようだ)。最上部のさらに上の画面外に出る面も多いので、見当たらない場合は左右端から三分の一ぐらいのところの画面外を目がけてジャンプしてみるとよい。
    • 15 面のボーナスステージがひときわ狙いやすいので時間がある人はやってみよう。箱の中の段の上に乗っていればよいが、右端は稀に爆風が届くので左に寄っている方がいい。30 秒はいくら超過してもいいので適当にゆっくりめに数えればいい。
      • 15 面でできるということは9面でもできる。適当に左右の敵を片づけてから(うちわさぼ赤は自力で倒してもよいが放置してもよい)、真ん中のすたぺりあを1匹倒してもう1匹をひたすら踏んでいればよい。1UP が出たのが見えたら即爆弾を投げて自分も巻き込まれれば同時死にになってクリアできる。ヒマワリがない場合はかなり急がないと2つは取れない。
        • 真ん中のすたぺりあは左の壁に押しつけて左のうちわさぼ赤に任せるか、あるいは2匹の間に入ってから1匹を壁に押しつけて置き爆弾で下に落とす。
  • 最初は5面、以後 10 面ごとにボーナスステージがある。わんぴとつうぴの対戦の体裁だが、一人プレイの時は自分がプレイしていない側は常にぴょんぴょん小さくジャンプする以外すべて自分の動きの鏡写しの動きをする。上手く利用すれば自殺させて一方的に勝てるし、逆もできる。
    • たとえばジャンプボタンを押しっぱなしにすればジャンプしなくなるし、着地したタイミングでジャンプボタンを長押しすればちゃんと大ジャンプする。隣接して立って相手の下降中にジャンプして相手方向にレバーを入れれば勝手に相手が踏まれて気絶する。
  • 中央最上部の左右に 1P と 2P の残機数が表示されているのだが、その残機は常に手足を動かして謎のダンスを踊っている。通常時はとてもゆっくりだが、ヒマワリを取るとこの残機のダンスも加速して、すごい勢いでちゃかちゃか踊り始める。時々花も咲いているが、ヒマワリだとほとんど一瞬しか見られない。
  • ちなみに2周目になって何が変わるかというと「すべての敵の耐久力が +1」という雑な難度調整がなされる。3周目は +2、4周目は +3、……らしいが、現実問題として2周目の時点で殆どゲームになっていない。
  • というのは、基本的に結構タイムが厳しいゲームだからで、単純な話敵が多いとそれだけ爆弾をたくさん叩き込まなければならないのだが、1周目でも厳しいのに全部1発ずつ上乗せされるとなると普通に洒落にならない。あとは、あらゆる敵に爆弾が当たった瞬間爆発するようになるのでそれもかなりつらい。何面に戻されるかの法則は(あるかどうかも含めて)不明だが、2周クリアできれば相当の凄腕と思う。
  • このゲームの攻略サイトは後にも先にもここ→サボテンボンバーズ 不完全攻略法しか知らないが、すごく本質的なことがたくさん書いてあってとてもためになる。素晴らしい洞察力だと思う。今から始める/やり直す人は必読。「ジャンプした瞬間は無敵」というのは気がつかなかった。
  • クリアを目指す上でも基本的にはそうだが、ハイスコアを目指すとなると完全にノーミスゲーになる。できるだけ早く9倍にたどりつき、できるだけ死なずにそれを維持し、できるだけ星を集めて得点を稼ぐ。星ひとつが 720000 点で、スコアは8桁まで表示されてたので理論上は 140 個ぐらい集めればカンストもしくは9桁目に突入する。
  • というわけで仲間うちで特に上手いふたりが1億点目指してやってたのだが、このゲーム、上手い人がやってるとなんというかある種の美しさがあって、隣で見ているのはとても楽しかった。ふたりのプレイスタイルは対照的で、理詰めでパターンを作ることを得意としてそれを遂行することでスコアを伸ばしていたOと、手首から先でゲームをプレイすると公言してその言葉通りアドリブがめっぽう強かったIと、甲乙つけがたいプレイの冴えだった。しかしそのふたりをもってしてもとうとう 8000 万点に届くことができないままこのゲームは行きつけのゲーセンから姿を消した。
  • にもかかわらず、ちょっと調べてみたところ、ベーマガ*2のハイスコア集計ではわずか二月目にして 99,999,990+α で集計打ち切りになったらしい。世の中ゲームのうまい人はたくさんいるものである。

すごく長くなった。読んだ人おつかれさまでした。




続きに過去のレトロゲームエントリ一覧。




(39-1) [糸瓜爆弾義兄弟]:『サボテンボンバーズ』(1992)

(38) [地面はどこ?]:『タイムパイロット』(1982)

(37) [戦車っぽい戦車]:『グロブダー』(1984)

(36) [中二センス満開]:『エイリアン地底魔城』(ハロー・チャレンジャー・ブック3)(1984)

(35-2) [スライディングは最強]:『スプラッターハウス』(1988)(攻略編)

(番外編6) [頭と指先を鍛えよう!]:渋谷会館の思い出

(35-1) [スプラッター一発ぶっぱなせ]:『スプラッターハウス』(1988)(回顧編)

(番外編5) [R-TYPE 7面ボス]

(34) [川が汚れちゃ困るんだよ]:『Dr. トッペル探検隊』(1988)

(33) [タイマン勝負!]:『ギャラクシーファイト』(1983)

(番外編4) [聖地と呼ぶにはあまりにも]

(32-2) [帽子に花を咲かせましょう]:『WIZ』(1985)

(32-1) [手はグーで飛んでくる]:『魔法使いウィズ』(1986)

(31) [長えよ]:『野豚の異常な食欲 またはいかに私は心配するのをやめて蛸を愛するようになったか。』(1984)

(30) [Merry Merry Christmas]:『ザ・グレイトラグタイムショー』(1992)

(29) [ワルシャワ条約機構の悲哀]:『SUPER大戦略』(カードゲーム)(1989)

(28) [半魚人]:『ヘビースマッシュ』(1993)

(27) [キャノンボール]:『ポンピングワールド』(1989)/『スーパーパン』(1990)

(番外編3) [語れるほどは知らないんだけど (1)]:『ラフレーサー』(1990)/『エスケープキッズ』(1991)/『ホットロッド』(1988)

(26) [シャッターチャンス]:『フォトバトール』(2001)

(25) [スパイアンドスパイアンドスパイ]:『シークレットエージェント』(1990?)

(24) [銃と弾丸]:『ガンバレット』(1994)

(23) [たくさんあるぜ]:『タントアール』(1993?)/『イチダントアール』(1994)

(22) [おれたちゃ義賊(まあ、たぶん)]:『ボナンザブラザーズ』(1989)

(21) [文字だけのインベーダー]:『コズミックレボ』(1984)

(20-2) [なつがくればおもいだす]:『超絶倫人ベラボーマン』(1988)(小ねた集)

(20-1) [全力でぶったたけ!]:『超絶倫人ベラボーマン』(1988)

(19-2) [あがけ、最後まで]:『ぺんぎんくんWARS』(1985)(攻略編)

(19-1) [競技の名はドジボール]:『ぺんぎんくんWARS』(1985)(回顧編)

(番外編2) [MTJ 氏のこと]

(18) [おまえはワイドだ]:『オメガファイター』(1989)

(17) [かみさまおねがい]:『高田馬場アドベンチャー』(1983?)

(16) [力を合わせて]:『ゲイングランド』(1988)

(15) [麻雀に似たなにか]:『スーパーリアル麻雀P4』(1992)

(番外編1) [ファミコン版との違いを教えてやる]:『ツインビー』(1985)

(14) [幻のライバル]:『キャメルトライ』(1989)

(13) [Ready Go!]:『プラスアルファ』(1989)

(12) [終わりなきゲーム]:『ギガンテス』(1990)

(11) [追っかけっこ]:『ポリス&ギャング』(1983)

(10) [今度は縦スクロール]:『イメージファイト』(1988)

(9) [ひよこじゃありません]:『ニュージーランドストーリー』(1988)
(8) [ふたりで泡を]:『バブルボブル』(1986)
(7) [あの山の向こうに]:『ブルースカイ』(1986?)
(6) [大胆にして緻密]:『R-TYPE』(1987)
(5) [変型メカものの白眉]:『ブレイク・スルー』(1985)
(4) [最後に使うコマンドは]:『聖なる剣』(1982)
(3) [ウゴクエver.1.0]:『オリビアのミステリー』(1994)
(2) [白と青のタイル]:『メトロクロス』(1984)
(1) [異形の者・発火術・女の子]:『ちゃこのファイヤーショック』(1984)  (加筆中)


リンクの無いバックナンバーは現在再掲載の準備中。

*1:確か一周するとシルエットだけ出てきて、どうも若い女性っぽい感じに見えたと記憶している

*2:電波新聞社から発行されていた投稿プログラミングの月刊誌。アーケードゲームも比較的よく扱っていて、1984 年からタイトル別の全国ハイスコア集計を行っていた。