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賢押杯 2018 レポート -- 当日編(予選落ち)

予選落ちなのにすごい長文になってしまった。

事前準備

ここに書いてたけどあんまりにも長くなったので事前準備編に移した。

開始前

受付を済ませて、ホワイエへ。スペシャルラウンド出場者は奥で待っているように言われたが一向にアナウンスがないのでぼうっと突っ立っていると、他にも出場者がちらほらいるみたいだったので次々に声をかけてなんとなく集まってみる。記録集時々見返してるうちに各地の優勝者の名前を全部覚えてしまったのだ*1。五分ぐらいだけちょっとしゃべったんだけどこの時間は楽しかったな。とかなんとかしてるうちにやっと声がかかって、もう始めるから中に入ってくださいと言われる。はい。

スペシャルラウンド

問題数無制限、早押し3○2×、11 人→1人。
というわけで舞台に……とはいえ半分袖というか、最上手の額縁より客席側のスペースに 11 人ずらっと並ばされる。立ったまま早押しボタンをいっこずつ手で持って、試合開始。ここはもうまるでわからず、10 問以上地蔵だったはず*2。そのあとやっとわかりそうな問題が来る。「種牡馬としては 2012 年以来6年連続のリーディングサイアーで、」 え? 今のリーディングサイアーって誰だ?……素でわからなかった。やきが回ったにもほどがある。ブラックタイド?とか思ってしまった。「現役時代は日本競馬史上/」あたりであっさり押されて取られる。これで実質終わっていた。「ワトソン」を取ってなんとか1○つけたが、そこまでだった。

ペーパークイズ

四択マークシート 70 問、制限時間 15 分。
15 分はかなり厳しくて、○つけてからあとで塗ってなんていられないだろうと思い最初からマークシートに塗る。これは正しかった。14 分弱ぐらいで解き終えたが見直してる暇はほとんどなく、ただ「五言絶句」だけ「五言律詩」に直した。絶句ではいかにも短すぎる気がしたからだけど、これは合ってたのでよかった。
萌え問はなんといっても「テネシー・タイタンズの本拠地」で、これは四択ならではのいい問題だなーと思った。ニッサン・スタジアムって言われたらわかりやすいダミーだなって思っちゃうもんね。ナッシュヴィルにもあるんだぜ。これを確信もって塗れた奴はさすがにたくさんはいなかっただろう。
近似値問題は1問目が「日本で初めて行われた衆議院選挙で最少の得票で当選が決まった島根6区の当選者の得票数は何票?」というもの。普通選挙じゃないのでめちゃくちゃ少ないはず、多分想像以上に少ない、と考えて「20」と書く。2問目は「UNO の国際ルールでは何点取ると勝ちになる?」というもの。キングスコートが 500 点で終了だったけどあれは 10-15 ゲームかかったので、勝った人が総取りする UNO ならむしろまさに 500 点ぐらいでちょうどいいはず、と考えて「500」と書いた。

一限:見学:ライフスタイル部屋

30 問、早押し/早立ちボードクイズ、10 人→2人。
ジャンル別で出るならライフスタイルにしようと思っていたので、のぞいてみた。かなり問題が難しかった。押して誤答やスルーも連発してて、得点は全然伸びてなさそうだった。後半ごはんを食べるために抜けたから全部は見ていないのだけど、ここに参加して抜けられたイメージはわかなかった。

二限ステップ1:ローリングクイズ

60 分限定ローリング、参加者は 18 人で 6-6-6、最終的には 11 セット。各セット下位2人もしくは誤答で負け。抜けたときに残っている人数+そのセットの誤答者の人数が得点になり、累計得点上位6人がステップ2へ進む。
1セット目、「パスネット」で二抜け。これはいい押しができて、申し分ない滑り出しだったのだがここからがいけない。2セット目、たしか「六波羅探題」で誤答。まあこれ自体は2セット目だしまだよかった(とはいえ見境なさすぎた)。3セット目はふたり誤答でトビ残り(4→6)。4セット目、「これが水没したものはフィヨルドと呼ばれる〜」みたいなところで押す。リアス式海岸、と思ったのだが明らかに違う。考えて「氷河」と答えるが×。そして5セット目。ここの誤答が一番あほだったし、終わってみれば痛かった。「興奮すると身体をふくらませることから英語では puffer fish と呼ばれる〜」あたりで押す。puffer という単語は知っていた。メルカディアン・マスクスに《フグのエキス/Puffer Extract》というカードがあるからだ。いただき……のはずだったが、口をついた言葉は「ハリセンボン」。もちろん×である*3。あああ。6セット目、トビ残りでひさびさのスコア(6→8)だが、もう上位には届きそうにない。
というところからエンジンがかかったあたりが我ながらなんというか。「パチューカ」「駆け込み需要」「ポリカーボネイト」「中村俊輔」で1抜け、2抜け、2抜け、1抜けで4セットで 18 人積んで 26 人、最終セットに入ったところで暫定8位。しかし1問目、7位の人に抜けられてしまう。これで枠がひとつ減った。2問目、まったくわからず押されるが、「エルフ先生」が惜しくも「もう一度」の判定で結局出ず、ワンチャンス残る。3問目、「……や……などの景勝地があり、スペイン語で『太陽の海岸』という意味がある〜」太陽の海岸、コスタ・デル・ソルだ!、と思ったのに指が動かず、押されてしまう。誤答だったが、さすがにもう一問取れる問題が来るほど甘くはなく、トビ残りで 26→28 どまり。ステップ2のボーダーにふたり足りず敗退となった。
フグを間違えていなければ……。コスタ・デル・ソルで押せていれば……。悔やまれるミスはあったが、たぶん誰でもミスはする。それでも足りるぐらい正解できる力がおれには足りなかったということなのだろう。

二限ステップ2:見学:5〇3×

35 問限定、早押しクイズ、6→3人。
あとは見ているだけ。それで、前々から思っていたのだが、賢押杯シリーズの5〇3×が妙に苦手である。かつての 2007〜2009、Alt.2015、そして今回と見るのは5回目だが、いつ見ても早押し席に着いていたとしても勝負になったとは思えない。今回もそうだった。昨年4月のおれと比べれば相当力はつけたと思う。でも、ステップ2に進めていたとしても2〇ぐらいしかつけられなかったような気がする。半ば放心状態で見ていたことも影響していたかもしれないけど。単に難度の問題なのか、それともフォーマット特有のなにかがあるのか。

ペーパー結果、敗者復活

あとは簡単に。
ペーパーでの1回戦/プレイオフ進出のボーダーは 50 点(20 位)だった。ここには足りなかった。決勝の前に上位 50 位が発表されて、そこには入っていた。近似値がやたらとよくて、司会の人に言及されていたっぽいのだけど何を言われていたのかは聞き損ねた。近似値1の正解が 23 人、近似値2の正解は 500 点だったので誤差はそれぞれ3人、0点とかなりいい線行ってたと思う。しかし肝腎の得点は 47 点。3点足りなかった。あとで見直すと理系学問が壊滅的にひどく、まさかの1段目落としなどもあって悔やまれた。ア5ス9芸6ラ8社8文6理5=47 点。(いきなり訂正:芸7社7が正しいみたいです。答えをメモってる余裕もなかったので……。)
敗者復活は最初の「メタモン」を勘で当てるも2問目「ロッキー」で撃沈。あとは5問目「かえる」も間違ってたから 5/7。悪くはないけど少し足りない。

1回戦〜決勝:見学

1回戦はホールで行われたビジュアルクイズで、これは面白かったけど端末の準備と運用は死ぬほど大変そうだった。途中で通信が切れている人もいて気の毒だった(とはいえ 45 人中ふたりだったのだから上手くいったほうだと思う)。参加してみたくはあった。準々決勝は早押しボード。例によってやばい難度だった。ここは抜けられそうにない。準決勝はおなじみ、二組に分かれての7〇3×。両セットともめずらしくワンサイドで、ふたりの強さが際立っていた。決勝は3回連続準決勝進出から今回初の決勝進出を果たした「リモカタさん」氏がほぼ終始リードして、規定の問題を使い切った次の問題で 10 ポイントに届いて勝ち。見事な強さだった。

そして

最後に主催のすみすさん氏から挨拶があり、賢押杯は今回を「一区切り」とする旨が発表された。詳しいことはウェブで、とのことだったので、ここでは氏の発言についてはそれ以上は書かない。
自分にとっては Alt. も含めると6回参加した大会で思い入れは強い。以前も書いたが子供が生まれて QMA をプレイできる時間がなくなり、参加資格を得ることができなかったためにしばらく遠ざかっていたけれど、その間も続いていてくれて、また参加することができたのは本当にうれしかった。Alt.2017 ではまさかの優勝を達成できて、今回のスペシャルラウンドに出られたのも楽しい体験だった。
この8ヶ月は本戦での予選ラウンド通過を目指して自分なりに努力を積んできた。といってもひきこもりの修行だったのでそれがどれぐらい地力につながっていたかというとちょっとわからないのだけど、事前準備編で書いたようなことをこっそりしてたのだ。残念ながら結果はご覧のありさまだったが、でも新しい趣味を得てそれに時間を割いて努力するというのはほんとに楽しかった。そういうきっかけを与えてくれた賢押杯には深く感謝している。すみすさん、スタッフのみなさん、ほんとうにありがとうございました。

これから

それで——どうするかなあ。
終わってから何日か経つけど、修行はしていない。問題集を優先するために読めていなかった本に手をつけたり、NFL のプレイオフを観たりしている。夜パソコンをつけて、ニコニコでクイズ番組のアーカイブを見ようとしかけて、ああもうやらなくてもいいんだ、と思う。
でももちろん、やってもいいんだ。この8ヶ月の楽しさは幻ではなかったと思うし、ボタンを押して答える気持ちよさをおれは確かに知っている。クイズをできる場所はその気になればいろいろあるのだろう。近場のサークルにお邪魔してみてもいいかもしれない。またどこかの大会を目標にしてもいいのかもしれない。
だけど、それもまたちょっと違う気もするのだよな。もしかするとおれの情熱が向かってた先はあくまで賢押杯だったのかもしれない。それがひとまずなくなってしまって、なにかが抜け落ちたような、少し開放されたような、でもやっぱり寂しいような、そんな気分ではある。とにかく、いますぐどちらへ歩き出すか決めなくちゃならないわけじゃない。ちょっとゆっくり考えてみよう。

*1:わりと気持ち悪い(おれが)

*2:途中おれのボタンが誤動作して中断したが(コネクタの抜けかけ)、そこまで一度もボタンを押せていなかったので試合には全く影響しなかった。それぐらい押せなかった。

*3:いっこだけ言い訳させてもらうと、《フグのエキス》のイラストの奴なんか知らんけどトゲトゲしてんだよ! 参照→http://gatherer.wizards.com/Pages/Card/Details.aspx?multiverseid=19881