黄昏通信社跡地処分推進室

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リュウゼツラン

どういうめぐりあわせか、かなり短い期間の間にツイッターリュウゼツランが咲いた話を二件見かけた。リュウゼツラン(アオノリュウゼツラン)は一回結実性の植物で、数十年も養分を溜め、それからやおら花茎をまっすぐ上に伸ばして、大量の花を咲かせてから枯れてしまうのだという。逆に言えば、一株をずっと見ていても数十年に一度しか咲かない。へえ、わりと珍しいんだなと思ってその時はそれっきりにしていた。ところが今回日記のねたにでもしたろと思って、おれが見かけた記事はどれだったかなと「リュウゼツラン 開花」で検索すると、これがけっこうたくさんひっかかるのだ。一瞬意外に思ったが、考えてみるとリュウゼツランなんて日本中にたくさんあるわけで、一株一株は数十年に一度だとしても全国合わせれば毎年何株も咲くだろう。そして、それぞれは珍しいので新聞の埋め草みたいな記事になりやすい。
開花するだけで記事になる花なんてそうはないだろう。ソメイヨシノネモフィラシバザクラ、コスモス、……季節の風物詩になるような、花界のエリート中のエリートだけだ。そこに割って入るとすれば「開花自体がニュースになるほど珍しい」ような花になろう。だとすれば、たとえば五年に一度咲くぐらいの珍しさでは記事になるまい。といって、ショクダイオオコンニャクほど珍しいと、今度は開花すること自体がほとんどなくなってしまう。リュウゼツランの個体数と開花の頻度の度合いが、結果的に記事の数をかなり多くするような組み合わせになっているのかもしれない。
ついでなので書いておくと、リュウゼツランは現在の分類ではキジカクシ科らしい。えっと思うけど、この記事の写真なんかを見ると納得できる。アスパラガスっぽいよね。