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殿下のぶくま/ツイッターの投稿より。NFL のオーヴァータイムにおける先攻後攻の「より公平な」決め方。
アメフトに潜む不公平?攻撃権を競り落とせ! | インセンティブの作法 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト
要するに「先攻が残りXヤード地点から攻撃する」という条件でXについて競りをして、Xがより大きい方が先攻を得られる、というシステムはどうだ、という提案だ。
本文中にも「現実のルール変更の詳細にはこれ以上立ち入らず」と書かれているように、これは今のところ現実的な方法ではない。実際にやろうと思うとオーヴァータイムでのキックオフを廃止しなければならないからだ。キッキングチームにとってキックオフ地点が前進することはある程度の距離までしかプラスにならず、ある地点より先はむしろマイナスになるため、そもそも競りという形式自体が成立しなくなってしまう。なので、キックオフはせずに競りに勝ったチームが機械的に残りXヤード地点から攻撃する、という形式にしなければならない。もしかすると将来キックオフリターンが廃止されるかも知れず、そうなったら導入できなくもないかも知れないけど、そんなことが起こるとしても何年も先のことだろう。
競りの方法について競り上げ方式と封じ手方式が提案されていたが、本質的にはどちらでもそんなに変わらない。封じ手の方が同距離が生じるかも知れない分だけ若干面倒かも知れない。競り上げでも「どちらも1ヤードも競り上げない場合にどちらを先攻にするか」は定める必要があるが、それはもう例えばホームを先攻にすると決めてしまって X=50 辺りから競り始めればビジターのチームは何かしら札を入れざるを得なくなるので、おそらく問題にはならないだろう。競り上げの方が単純に見ていても楽しいし競り上げがよいと言い切っていいだろう。
このシステムが機能しないのは「99 ヤードが最適解と判明した場合」で(殿下が書いていたのはこれだろう)、その場合抽選と変わらなくなってしまう。直感的には流石にそんなことはないようにも思うのだが、先攻は仮に得点できなくてもパントできるので、得点できなくてもすぐ負けになるわけでもない。だから最適解は「5割の可能性で得点できる」ラインよりはずっと後ろになるはずで、実際Xの値はかなり大きくなりそうにも思える。そうすると仮に機能したとしても「90 ヤードからちまちま競り合う」みたいなことになって、それほど楽しいものではなくなってしまうかも知れない。