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ラッカー十番勝負その 10――は『ハッカーと蟻』を持っていないので欠番で、今回がその 11 で最終回。もちろん別に狙ってたわけじゃなくて、なんとなく「十冊ぐらいじゃね?」と思って始めただけなので全体的には気にしないで頂けると幸いではある。あと最後の…
ラッカー十番勝負その9。 日本オリジナルの、そして唯一の短編集。ラッカーがいくつ短編を書いているかわからないが、さすがにここに収められているよりはだいぶ多い筈だとは思う。最初期の作品から、刊行時に比較的近い時期の来日経験をつづったエッセイま…
ラッカー十番勝負その8。 以前時空の支配者の話を書いたときに、Tから「ラッカーの代表作ってなんなんだろう」ってコメントが付いていて、その時に挙げられていたのが「時空の支配者か空洞世界(ママ)」だった。おれは『空洞地球』は一度読んであまり好き…
ラッカー十番勝負その7。 その3でとりあげた『ソフトウェア』の続編。前作において月面で革命を成し遂げたはずのバッパーたちはしかしほどなく自滅、月は再び人間たちの支配下になる。スタアンと名を変えた前作の主人公“ステイハイ”・ムーニイは、妻ウェン…
ラッカー十番勝負その6。 前作『時空の支配者』に続いて新潮文庫から出版された、ラッカーの SF 作品としては二冊目の邦訳だが、こちらは前作と違って早川には移れず、結果的にそのまま絶版になっている。 作者4冊目の transreal 小説で、今回は高校生から…
ラッカー十番勝負その5。 ご存知の方はご存知だろうが、この作品がラッカーの SF 長編としては初めて邦訳された。1987 年のことだ。当時は新潮文庫がまだ SF を出していて、新潮社で編集者をしていた大森望が担当した本であることも知られている。大森本人…
ラッカー十番勝負その4。 この作品も作者言うところの transreal 小説群のひとつで、ハイデルベルク大学に学んでいた時期がベースになっっている。ラッカーの分身たる主人公のアルウィン・ビターは今作では物理学者で、休暇で妻子を連れてイタリア旅行中、…
ラッカー十番勝負その3。 フィリップ・K・ディック記念賞を受賞したラッカーの出世作。確かに前2作よりはるかに洗練された印象を受ける。直線的で脈絡がなく、大きなアイデアがごろんと転がされていた前2作に対し、今作ではストーリーとアイデアが上手く…
ラッカー十番勝負その2。 前回刊行順と書いたが、厳密にいうとこのホワイト・ライトが初めて刊行された作品になる。『時空ドーナツ』連載→『ホワイト・ライト』刊行→『時空ドーナツ』刊行、という順だからだ。でもまあ、今から入れ替えるほどのことでもない…
ラッカー十番勝負その1。 イーガンの長編を4冊読み倒し、短編集2冊もさっさと片付け、『ひとりっ子』は買っておけという天の声を無視し、辿り着いたのがラッカー。なんとなくそろそろラッカー読んでおきたい感じなので、折角だから出版された時系列順に読…