黄昏通信社跡地処分推進室

黄昏通信社の跡地処分を推進しています

どうせ買うなら人気薄?――札幌2歳ステークス

2004-10-02 2回札幌7日目 第39回札幌2歳ステークス T1800m G3
1 1 グランプリペガサス 牡2 55.0 和田竜二  田所秀孝
2 2 セイウンビバーチェ 牡2 55.0 本田優   田所秀孝
3 3 ダンツキッチョウ  牡2 55.0 藤田伸二  山内研二
3 4 モエレフェニックス 牡2 55.0 千葉津代士 堂山芳則
4 5 オーギュスト    牡2 55.0 五十嵐冬樹 国枝栄 
4 6 ストーミーカフェ  牡2 55.0 四位洋文  小島太 
5 7 セイウンニムカウ  牡2 55.0 藤岡佑介  上原博之
5 8 マイネルアドホック 牡2 55.0 松永幹夫  清水美波
6 9 コスモスパーブ   牡2 55.0 菊沢隆徳  保田一隆
610 オーソレミオ    牡2 55.0 宮崎光行  小桧山悟
711 ジェダイト     牝2 54.0 川島信二  池江泰郎
712 コマノハイ     牡2 55.0 池添謙一  鮫島一歩
813 ヒードザコール   牝2 54.0 横山典弘  松田博資
814 ケイアイヘネシー  牡2 55.0 芹沢純一  池江泰郎

このレースは物凄く荒れることで知られていて、それは実績馬が必ずしも人気に応えないことに起因している。それだけこの時期の2歳馬は能力の開きが大きく、数少ないオープンのレースで好走していても、それが出走馬の中で能力が上位であることを必ずしも意味しないのだろう。その理屈では2歳戦は多かれ少なかれ同じ傾向を持つことになるが、特にこのレースは 1800m だから、臨戦する馬も比較的 1800 を使ってくることが多い。2歳戦の 1800m なんてペース次第でいくらでもタイムが変わるし、この時期の札幌の馬場も状態が変わりやすい。しかも 1200 しか使っていなかった馬がいきなり来たりする。正確な評価を下すのがそれだけ難しい。
ということで、博打的には「人気薄の馬を買う」が単純ながら効果的な戦法にはなる。でもまあ、それだとあんまり馬券を買ってる気がしないので、もう少し競馬をやってみてもいいだろう。統計的に多少たりともましなデータは「前走連対」と「札幌の芝で連対がある」で、ともに過去7年の連対馬14頭中12頭が該当、だそうだ。とはいえこのどちらにもあてはまらないのは今年の出走馬中(地)のオーソレミオを含めても4頭だけ。

グランプリペガサス
上の「ましなデータ」にあてはまらない馬。敢えて買うこともないかも知れない。サンデーサイレンス×ウォーニングだが、母の父にウォーニングが居ても距離適性にはそんなに影響しなさそう。1800m は保つとみる。
セイウンビバーチェ
持ち時計一番。勝ち上がるのに3戦要しているが、相手がアドマイヤフジシックスセンスなので酌量の余地はある。父の Precise End は今年の新種牡馬エンドスウィープの直仔でG3ベイショアS勝ち。Precise End種牡馬広告見てたらエンドスウィープの代表産駒の一番上がサウスヴィグラスになってて面白かった。多分賞金順。格で言えば Swept Overboard の方が上の筈。話がそれた。この馬は本田の強気な騎乗がはまるかどうか。
ダンツキッチョウ
サンデーサイレンス×レイホーソロン、ということでサマニベッピンさんの下。前走未勝利戦の勝ち方もよかったようでかなり人気しそう。実際瞬発力はあるので、前走逃げて勝った二頭の陣営がどちらも「抑えても平気」と言ってるし、ペースが落ち着けば持って行きそうな気配もあるんだけど、逆に言えばコマノハイに負けている馬でもあるので。
[地]モエレフェニックス
岡田総帥がいきなりお買い上げしたことでおなじみの馬(名義は奥様)。サンデーサイレンス×ノーザンテーストで距離に不安があろう筈はないのだが、前走クローバー賞が楽に逃げていたわりにはわりと一杯々々だったので、それなりに人気になるだろうことを考えると買いたくない。
オーギュスト
新馬戦はダートで5着、折り返した 1500m の未勝利で勝ち上がり。正直そんなに強調材料はないんだけど、父のフレンチデピュティと鞍上の五十嵐冬樹はどっちも旬のものではあり。母の父は Alysheba だから距離延長も歓迎だろう。穴をあける素養は充分だ。
ストーミーカフェ
アドマイヤベガは今年の新種牡馬だが、そこそこ勝ち上がっている割にまだオープンで出走した仔が居ない。ここはある種の試金石と言える。新馬戦は“最強馬”ディープサマーにぶっちぎられ、折り返した 1500m の未勝利で勝ち上がり。割と時計の出ない札幌の 1500m、しかも重馬場で1分29秒4は正直速い。距離延長も大丈夫そう。
セイウンニムカウ
上の「ましなデータ」にあてはまらない馬。ついでに言えばオープン連対馬でも連対するとは限らない一方で、前走オープンで連対できなかった馬となると連対したのはマイネルコンドルだけになる。カーネギー×ジェイドロバリーという早熟っぽい血統も加味すると、数少ない真先に消したい馬。
マイネルアドホック
福島 1700m の新馬戦とコスモス賞を連勝、中距離実績はメンバー随一。ホワイトマズル×リアルシャダイにも文句はなく、前走見せた上がり35秒1の瞬発力も上々。あとはここまでの相手関係だけど、正直福島はそんなにレベル高くないっぽい。コスモス賞はパーフェクトマッチが2着で、その馬がシックスセンスを負かしているので、少なくともそう悪くないと感じているのだが。
コスモスパーブ
上の「ましなデータ」にあてはまらない馬。無駄にキャリア多いし、セイウンニムカウのとこで書いた通りコスモス賞で負けてるのもポイント低い。ほんと買いたくない。しかし好きな馬ではあるのでどうにも買ってしまいそうだ。キンググローリアスは平坦の 1800m までなら特に割り引く必要なし。母父もリアルシャダイだしね。
(地)オーソレミオ
上の「ましなデータ」にあてはまらない馬。とはいえ中央初出走だからわからないところはあるのだが、前走ジャングルポケット賞でモエレフェニックスに 2.1 秒離されている。父のラムタラもものすごく芝向きというほどでもない。敢えて買う材料は見つからない。姉にマクリス。
ジェダイト
ケープリズバーンとリビングデイライツの下、で父サンデーサイレンス、となると華々しいようにも思えるけど、つまりはモビーディックの全妹になるのねこの仔は。1200m からの臨戦自体は特に割り引かなくてもいいが、ここまで二戦とも牝馬限定であったことは好材料ではなさそう。ただ前走の時計と上がりは結構速い。
コマノハイ
1戦1勝、ダンツキッチョウに勝っている。かなり好い脚を長く使ったレースで、時計は遅かったが好内容。ダンツキッチョウが人気になるならこっちだろう。父はスペシャルウィーク、ってのは今のところプラス材料にはならんかな。
ヒードザコール
これも1戦1勝のみ、しかもこっちは5頭立てだった。結構根性も持続力も見せたんだけど、どスローだった割に上がりがそれほどでもなく、流石にここに入ると苦しいかも知れない。エルコンドルパサー×ケイヴィアトだと芝の中距離はぴったりのように思う。
ケイアイヘネシー
初戦でグランプリペガサスに負け、2戦目と3戦目は立て続けにセイウンビバーチェの後塵を拝し、4戦目でようやく勝ち上がり。売りはその豊富なキャリアと、3戦目にセイウンビバーチェに負けた時の時計(これでも出走馬全体で2位になる)。ヘネシー× Woodman なのでここは頑張りたいところだろう。連闘。

結論をばっと書いてしまうと
◎セイウンビバーチェ
○コマノハイ
▲オーギュスト
ストーミーカフェ
△ヒードザコール
マイネルアドホック
で、馬連前提でしか印を考えていないので馬券は◎から5点の予定。三連単を買う人は、人気薄を狙うんだとしても3着には人気馬をちょこちょこ絡めておいた方がいいと思う。